こんにちは。代表の佐野です。この記事は令和2年に作成しておりますが、塗装クレーム(塗装による色違い)関連で検索すると上位に出てくるようです。ほとんど内容はそのままに、わかりづらい表現について訂正をしておりますが、昨今板金塗装(事故修理)業界を騒がせている大きな会社の問題など、板金塗装工場に対する信頼が揺らぐ事案が発生しております。そのため、こちらの記事に加筆・修正し、下記の文章を追記しました。
画像が出てくるまで文章を飛ばしていただいても構いません。
弊社では、板金塗装(事故修理)によるクレーム(本記事では、お客様の金銭的負担なしによる修理のご請求と定義しています)をゼロにするのは、不可能だと考えています。特に、「色が違う」「前と異なる音がする」といった100%発生しないとは言えない問題については、個人の身体的な差による感じ方の違いもありゼロに出来るとは言えません。魔法ではないため、技術的に不可能な部分や限界があればご説明をさせていただきますが、本記事のように塗装対応となるケースもございます。多くの自動車修理工場が、クレームについてお客様の望むような対応が出来ているかというと、そうではないと感じています。弊社での一つの例として記事をお読みいただきたいと思います。また、色の違いがなぜ発生するのかという記事もございますので、合わせてお読みください。
平成23年に作業させていただいたお車を、9年後にクレーム対応にて修理させていただいた事例についてご紹介致します。お客様からご了承をいただきましたので、弊社がどのようにクレームの対応をさせていただいているか、書き連ねていきたいと思います。
この写真は最初の塗装作業の1年半後、平成25年ごろに撮影した写真です。クレーム塗装前の写真は見当たりませんでしたが、経年劣化等も考慮すると、更に差が出ていた記憶がございます。
クレームの内容は、「ボンネットを修理したが、色が違って見える」というものでした。
ソリッド(中にメタリックやパールの入っていない色)以外の色では、あり得ない話ではありません。そのため、左右のフロントフェンダーまでボカシ塗装(塗装した部分と、塗装していない部分の差を埋めるため、フェンダーの表面まで色を塗装する事)をすると色が違うように見えづらくなりますが、当時の作業ではボカシ塗装を行っていませんでした。
お客様より別件でご相談をご依頼いただいたタイミングで、「あの時のクレームを直してもらえるだろうか」というお話から、お預かりとなりました。
色についてのクレームの扱いというのは難しく、私にとって合っていてもお客様にとっては違うと感じる場合もあれば、逆の場合もあります。(スーパービジョンという、普通の人の100倍色が見分けられる人もいるそうです)
私には少しボンネットが暗く見えました。お客様の費用負担なく、塗装対応させていただきました。
こちらがクレーム作業対応後(塗装後)の写真です。
調色というものはあくまで近似色の作成です。「新車時にボデーに塗装されている物と全く同じ調合をされた塗料(顔料)」を手に入れる事は基本的にできません。
魔法ではありませんので、塗装で100%色が合うかと聞かれれば「100%ではない」のが鈑金塗装というものですが、100%に近づけるのがプロの仕事になります。クレームが発生しないようにチェックをしておりますが、鈑金塗装の作業のほとんどは人間が行いますので、10年経営してクレームがゼロという板金工場があるとすれば、「それはクレーム対象ではないです」と突っぱねている(お客様の金銭的負担なしによる作業を受け付けていない)だけかもしれません。
調色も塗装も人間の行う作業で、温度や湿度といった塗装環境の条件でも微妙に変化します。
また、経年劣化やバンパーといった樹脂部品への塗装対応に起因する色の違いなど、色の問題というのは補修塗装作業がなくても起こりえるものです。クレームが発生しないように作業を心掛けておりますが、万が一クレームが発生した場合でも対応してもらえる工場かどうかは、工場選びの基準となるかもしれません。今後も、安心と安全を提供できるように心掛けていきたいと思います。
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