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保険会社さんやお客様へのご説明の中で、
「ほかの鈑金工場とボデーショップ佐野の違い」
についてご説明をさせていただく事があります。

仮に、ある工場に日本一腕の良い職人が居たとしても、修理可能な台数というものは限られます。
私の知る限り、「作業者を指名する場合は料金が割増になる」ということを鈑金工場で聞いたことがありません。基本的には、「標準作業時間的な工数と1時間あたり工賃との掛け算」で料金を決定しているところがほとんどです。
(弊社では職人指名を導入を検討したことがありますし、一部の特殊な作業内容では作業時間と1時間あたり料金の掛け算ではない計算方法を適用する事もあります)

本題の「他の鈑金工場との違い」ですが、腕の良い職人というくくりで工場を評価する事は難しいので、新人・普通の職人・腕の良い職人でも仕上がりに影響する設備の部分で説明するのが良いと思います。

最も顧客の目に入りやすい部分で、仕上がりに影響するのは「美観」であり、
その美観の大部分は「塗装」であると考えています。

その理由の一つとして、鈑金については必要な修理により必要な設備が異なるので、フレーム修正機が無い工場だとしても、フレーム修正を必要としない作業であれば問題ありません。
(外観から分かりづらいフレームの損傷というものもありますが、特に鈑金設備は入庫車両のうち数%しか使わないものも多いです)

塗装工程の仕上がりを決めるのは、職人がどこまで時間をかけて作業を行うか、という面ももちろんありますが、そもそも「塗装ブース」を使うこと、フィルター交換を含めた整備をしっかり行って居る事が、良い仕上がりに繋がります。
可能であれば、弊社のような本格塗装ブースを有している工場が望ましいと思います。

そして、意外と重要になるのが、「塗料」です。
消耗品になりますので、安価な作業料金を売りにしている工場では、安価な塗料を使っている事が多いです。
具体的には、弊社で使用している塗料と安価な塗料では1.5-1.6倍近い差があります。
(更に、塗料は顔料の高騰などからこの20年で何度も値上がりをしています)

安い塗料でも塗装作業は可能ですが、高い塗料は塗装工程における美観、意匠性、耐久性、機能性の確保を目的として研究開発されたものになります。
塗料は職人の腕のみでカバーできるものではないと思います。
愛車を修理する鈑金塗装工場がどういった塗料を使っているのかを気にしてみるのも良いかもしれません。

投稿者プロフィール

shusukesano
shusukesano
2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。

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