車両保険に免責代を付けている方が、お相手のある事故を起こされた場合、免責金額が返ってくるといったお話を受けると思います。
これについて、どういう事なのか分かりづらいので、記事にまとめました。
相手から払われる賠償額は、免責から先に充当される
先に充当される、と一口に言っても分かりづらいので、例で示します。
・自身の過失が2割、相手が8割
・お互いの損害額が50万円(双方合わせて100万円)、免責金額が10万円で車両保険を使用
この例の場合、ご自身の今回の事故による負担額は100万円×過失20%=20万円となり、相手に10万円払い、相手から40万円もらいます。
相殺して30万円を貰って車の修理をどうするか考える、という事も可能です。
ご自身の負担が20万円ですので、保険を使うと等級によっては保険を使うと実質分割払いになるかもしれません。
これについては別の記事を作成する予定です。
仮に保険を使うとする場合でも、相手から支払われる金額は”免責金額から充当される”ため、修理工場に免責金額を10万円支払っても、示談が終われば戻ってきます。
この10万円が誰から振り込まれるかは、案件によって異なるかもしれません。
車両保険を使う場合、相手から支払われる40万円がどうなるかというと、
免責の10万円は戻ってきて、
残りの30万円は保険会社が受け取ります。
相手に支払う10万円は保険会社が支払います。
ご自身に戻ってくる10万円と、相手に支払う10万円のために保険を使う事となりますので、保険料の上昇が3年で20万円であれば実質分割払い以下の効果しかありません。
過去の記事に、免責に対する理解が深まるであろう記事を書いています。
自身の過失が大きい場合の例
過失が少なければ、免責金額の大部分が戻ってくる場合が多いと思います。
では逆に、過失が大きい場合の例です。
・自身の過失が8割、相手が2割(前述の例と逆)
・お互いの損害額が50万円(双方合わせて100万円)、免責金額が10万円で車両保険を使用
以上の例の場合、お相手から損害額の過失割合分として10万円支払われる事となります。
すると、先に充当されるため免責が10万円戻ってきます。
次に、支払った免責金額が戻ってこないケースを考えます。
過失事故で免責が全額戻ってこないケース
・自身の損害額が高額ではない
・過失が9割以上である
・免責額が大きい(20万円など)
以上の例が考えられます。
例えば、過失が8割であれば、自身の損害額が30万円であればお相手から6万円支払われますので、免責5万円なら全額が戻ってきます。10万円なら実際に支払った免責額は4万円となります。
計算式にすると、
自身の損害額 × (1-自身の過失割合)=戻ってくる額
上の数字を例を当てはめると、
300,000円 × (1-0.8)= 60,000円
となります。
まとめ:自損事故(単独事故)が少ない方は免責額を設定した方がお得
自損事故を起こしたことが無い方は、保険の等級も高いので免責額を設定してもあまり保険料が安くならないかもしれません。
自身の運転に自信をお持ちの方で、車両保険をつけていない方もいらっしゃいますが、弊社にはそういう方が20万円、30万円以上という修理費をお支払いされるケースもございます。
一度、免責金額を10万円や20万円の設定で契約するとどれくらいの保険料上昇になるのかご確認いただき、万が一のために車両保険にお入りいただくのをお勧めしております。
投稿者プロフィール
- 2022年7月時点で板金塗装工場のフロント(事故修理担当者)歴16年目。
年間700件近い事故に携わり、事故の総取扱件数は10,000件を超える。
お客様や取引先からはもちろん、同業他社のフロント担当者からの支持も厚く、困ったときは佐野に聞け!という板金工場も多い。
2022年1月に4歳になった娘と家族のため、月間残業時間10時間以下を心がけている。
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